CASE

骨折

Case12.骨折 ~骨折整復術~

疾患の説明

骨折の多くは、様々な外傷の結果発生します。
トイプードルやポメラニアンなどの小型犬は数十センチの高さから落下した場合にも骨折する場合があり、前脚(特に橈骨尺骨)の骨折が多く見られます。

骨折が起こりやすいシチュエーション

抱っこ中の飼い主様の腕中からの落下やソファー等からのジャンプ

窓やベランダからの落下(主に猫)

階段からの転落

交通事故

治療の内容

骨折の治療には様々な手法があり、動物の体格・骨折部位・折れ方・周囲の軟部組織の損傷の仕方などにより、適した治療法を選択・組み合わせて行います。
また、骨折に至る際には、外部から大きな衝撃を受けている場合が多いため、胸部や腹腔内の臓器の損傷についても注意深く検査を実施します。

骨折の主な治療法

内固定方

骨折部位を切開し、プレート・スクリュー(ねじ)・ピン・ワイヤーなどのインプラント(固定金具)を用いて折れた骨を固定する手術方法です。
近年、より高い固定強度が得られるインプラントが開発されており、当院では積極的に導入しています。

A:コンベンショナルプレートで固定したトイ犬種の前脚の骨折

B:ロッキングプレートと髄内ピンで固定した大腿骨の粉砕骨折

C:スクリュー(ラグスクリュー)とピンで固定した肘の関節内骨折

D:ピンとワイヤー(テンションバンドワイヤー)で固定したかかとの骨折

創外固定法

ピンと固定器具を使用し、皮膚の外側から骨折部を固定する手術方法です。

ギプス固定法(外固定法)

ギプス単独で骨折部位を固定する方法です。主に外科手術後の補助的固定のために実施されます。

治療後の注意点

手術後は経過が順調であれば、内固定法を行った場合、数日後にはほぼ通常通り足を使えるようになります。
手術後は5~7日程度の入院が必要となりますが、その後は自宅で管理をして頂きます。
術後3~4週間までは自由に走って遊ぶことは避け、リードを付けての運動に限定します。
自宅では高いところから飛び降りたり、過度な激しい運動はさせないように注意をして頂きます。