CASE

免疫介在性溶血性貧血

Case07.免疫介在性溶血性貧血 ~輸血治療~

9歳の犬。1週間前から徐々に食欲が落ち、前日からまったく動かないとのことで来院されました。
飼い主様の話では、歯茎の色が白っぽく見えるとのことでした。

疾患の説明

免疫介在性溶血性貧血とは、免疫の異常な暴走により、自身の赤血球が破壊され、重度の貧血に至る病気です。ふらつき・食欲不振などを起こし、最終的に死に至ります。

治療の内容

治療の方法として、免疫の暴走を抑える免疫抑制剤の服薬と、貧血が重度な場合には輸血を実施する場合があります。
この症例では、来院時に重度の貧血が見られ危険な状態にあったため、輸血を実施し、同時に免疫抑制剤の投与を行いました。
免疫抑制剤の効果があらわれるまで数日かかり、3日後に再度の輸血を行いました。
5日後に貧血の数値の改善が認められ、7日後に元気・食欲が回復し、退院されました。

治療後の注意点

数ヶ月から数年にわたり、服薬と定期的な通院が必要になります。重症の場合は残念ながら輸血や投薬の効果が乏しく死亡する例もあります。

貧血を起こす病気は免疫介在性溶血性貧血以外にも様々あります。適切な治療を選択するため、各種検査やそれまでの治療経過・投薬内容の記録が必要になります。
他院から当院に転院される際は、各種検査データとかかりつけ獣医師からの紹介状をご持参頂けますようお願いいたします。

輸血用血液の在庫は限りがあるため、輸血が行えない場合があります。