CASE

尿管結石

Case03.尿管結石 ~SUBシステム尿路変更術~

4歳の猫。2日前からじっとして動かず、食欲もない、当日から排尿量も少ないとのことで来院されました。
来院時、ややぐったりし、脱水が認められました。

疾患の説明

猫では腎結石・尿管結石・膀胱結石・尿道結石など、泌尿器に関連した尿石症が多く認められます。
症状としては、元気や食欲の低下・嘔吐・腹部痛がよく見られ、ひどい場合には急性腎不全に進行してけいれん発作を引き起こすこともあります。
診断には、血液検査・尿検査に加えてレントゲン検査・超音波検査・造影検査・CT検査などの画像検査が必要となります。

治療の内容

各種検査の結果、両側の尿管にできた結石による急性腎不全と診断されました。両側の尿管閉塞により、全身状態の急激な悪化が認められたためすぐに手術を行いました。
通常、尿管結石は1ヵ所であれば尿管切開により摘出します。しかし、今回のケースでは尿管内に複数の結石があったため、SUBシステムによる尿路変更術を実施しました。
SUBシステムとは尿管閉塞により水腎症となった腎臓と膀胱を人工のチューブで繋いで尿路(バイパス)を確保する方法であり、
尿管結石が複数ある場合や尿管狭窄によりステント(体内の管状の部分を内側から広げるために使う器具)が挿入困難な場合に適応となります。
手術では開腹後、腎臓、膀胱の順にチューブを設置し、それらのチューブを皮膚の下でポートに連結します。手術中は透視下で通過確認をしながら進めていきます。

左:人工のチューブで尿路を確保
中:体内に設置されたチューブとポート

治療後の注意点

手術後は腎不全も改善し、7日間の入院治療で順調に回復しました。
自宅では、抗生剤の投与・排尿の状態と血尿の有無を確認して頂き、腹帯をつけて、抜糸まで術創を舐めないように注意して頂きました。
また、結石分析の結果により、結石の再発予防のための処方食を食べさせて頂くことになりました。
SUBシステム設置後は、術後管理として定期的なチューブの洗浄が必要となります。