CASE

肝臓腫瘤

Case01.肝臓腫瘤 ~肝臓腫瘤摘出術~

11歳の犬。飼い主様が気づく症状は特に無く、健康診断での検査時に肝臓に腫瘤が発見されました。

疾患の説明

肝臓の腫瘤は中高齢の動物に発症します。腫瘤が小さい場合には症状が表れないため、健康診断で偶発的に発見されるケースが多くあります。
肝臓の悪性腫瘤には肝細胞癌・胆管細胞癌・カルチノイド・肉腫など様々な種類があるため、確定診断には病理検査(病変の組織・細胞を顕微鏡で観察する検査)が必要です。
治療法には、外科手術・化学療法・放射線療法・免疫療法・分子標的療法などがあり、これらを単独、もしくは組み合わせて行っていきます。

治療の内容

今回のケースでは、健康診断時の血液検査・レントゲン検査・超音波検査にて肝臓の腫瘤が認められたため、手術を前提とした追加検査としてCT検査を実施しました。
CT検査の結果から腫瘤の発生部位や転移の有無を検討したところ、手術適応なケースと判断されたため、摘出手術の実施となりました。
手術では、全身麻酔下で開腹後、肝臓腫瘤の発生部位や大きさ、他臓器との癒着の有無を確認し、肝臓腫瘤を摘出します。
手術は、サンダービート(※1)やソノキュア(※2)などの低侵襲の機器を使用して、動物への身体的なダメージを極力抑えながら行いました。

1. 高周波電流と超音波振動を用いて切開・止血をする手術機器。

2.超音波を用いて組織の破砕・乳化・吸引などをする手術機器。

治療後の注意点

手術後、点滴・抗生剤・鎮痛剤・肝庇護剤を投与したところ順調に回復し、5日間の入院治療の後、退院となりました。
自宅では、抗生剤と肝庇護剤を投与して頂き、エリザベスカラーを装着して抜糸まで術創を舐めないように注意して頂きました。
手術により摘出した腫瘤を病理検査した結果、病変に肝細胞癌が認められましたが、その辺縁部位には癌細胞は認められませんでした。
肝細胞癌は悪性腫瘍の中でも転移する可能性が低いため、摘出することにより、予後は比較的良好といえるでしょう。